3話構成
ストーリー回収率0%
選ぶことができるというのは、幸福だと思う。私は雑誌のページをめくり、心のどこかに触れたものを切り抜いて、スクラップブックに貼り付ける。贅沢でかけがえのない時間だ……。「もう少し焦るべきだぞ」という担任教師の言葉が、ふいに蘇る。進路希望票は『未定』。高校3年の夏になってまだ、私は自分の将来の姿を描けていない。その時、いつもの2人――榎野洋、添島大地が私を呼ぶ。「帰ろうぜ。もう冷房止められてるし」。洋君は東京からの転校生で、大地は幼稚園からの幼馴染。洋君と大地、それは私の『選択肢』なのだろうか?
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