『とある冒険者ギルドの少女について』シリーズ外伝。ここはダンジョンの裏穴にある《宝箱》で、おいらはその中で眠っている《剣》だ。このダンジョンの最奥には、強いモンスターボスがいる。剣があれば倒せるのだが、物理攻撃では効かない。モンスターのあの固い皮膚に、俺の剣の力じゃ通らないのだ。けれども魔法防御はゼロに等しいから、魔法使いを連れてくれば倒せるのさ。――おいおい、勇者は現れないのか? おいらのことも要らないというのか? 剣として生まれて、これで終わりなのか!? まともな活躍もできないまま、朽ちて土になるなんて冗談じゃない。ん? なにか物音がしたけれど……?
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