三途の川の縁を散歩していた男神は、黄泉の妖力が変動したのを感じた。男神とは、かつて八岐大蛇を葬った英雄、須佐之男命『スサノオ』だ。三途の川を渡ってきた少女が、不安げな顔でこちらを見つめている。きっと、急死か何かで突然、黄泉に送られてきた魂だろう。スサノオは声を掛けたが、少女は答えない。……ふと、少女から微かに妖力を感じた。赤い瞳だ。スサノオはこの赤い瞳を知っていた。かつて現世で自身が葬った妖。もしかすると奴が生まれ変わって、復讐をしようとこの黄泉に来たのか? そうだとすると、この少女は……?
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