続・とある冒険者ギルドの少女について
柊ユーリ
『とある冒険者ギルドの少女について』シリーズ2作品目。「あの日」まで、私は幸せの中にいた。病気のため屋敷から出ることはできなかったけれど、父様も母様も屋敷のみんなも、とても優しかった。「人の心は皆とても温かい」、そんなことを信じていた。けれどもあの日、全ては終わってしまった。――私はリーリア・ロス。ロス伯爵家の娘にして、一家惨殺事件の唯一の生き残りだ。事件の後遺症で足がすっかり動かなくなってしまったのは、あの人を騙し、あの人の大事な人を見殺しにし、あの人を殺人者にしてしまった両親と私の罪と罰……。あっ、ドアがノックされている。いったい誰が……?